材質および構造の特長
L.M.Cの作動母体であるセラミックス・コアは、この装置の主要部品であり、液体サイクロンの材質は旋回流によって生じる激しい渦流の故に内壁面の平滑度と、充分なる耐摩耗性が性能の大きな要因となります。
L.M.C本体のセラミックス・コアは、使用できる最も硬い金属合金よりも更に丈夫で、宇宙ロケットやミサイルの先端部分ノーズコーンに使用されているものと同種類の特殊材質のセラミックスで製作されています。
材質的特性
- 材質は高純度のセラミックスを主原料とした超硬の焼結体である。
- 機械的強度が高く、衝撃にも優れている。
- 耐熱性で酸・アルカリにも極めて強い。
- セラミックス・コアの内面および各部の孔径はダイヤモンド工具によって研磨加工を施し、平滑度はもちろん各部の孔径は±0.1mmの許容範囲を規制し、一個ずつ精密なる拡大投影法による検査工程を経て管理される。
このセラミックス・コアを円形状ハウジングの圧力室に必要数量を放射状に配列収納し、ポンプよりの圧力液は各々流入口より、切線的に圧入される。粗い粒子は遠心力の作用により壁面に沿って濃縮されながら連続的に下流口(U.F)より排出され、U.Fチャンバに集泥される。微粒子および液体の大部分は中心線を上昇渦流となって上昇口(O.F)を通り、O.Fチャンバに集液され、溢流管より取り出される。
ハウジングにセラミックス・コアを装填するには、機密を要する部分にネオプレン製Oリングを用い、特殊設計になるステンレス製中空プラッグにて締めつけ、圧力による漏洩を絶無にした機構であり、取替交換は一本のスパナで容易に行なうことができます。
ハウジングの材質はステンレスを使用します。
用途
L.M.Cは、2μまでの分級が可能であるが、生原料の粒度分布が10μより粗い粒子を多量に含む場合はL.M.Cのみの1段操作では充分な分級効果を挙げ難い。この場合、回路を1次→2次の直列2段方式とし、SUPER-50-CYCLONEを1次に設置して、40〜10μの微粒子をあらかじめ取除き、整粒された粒子を含む上流液をさらにポンプにより所要圧力に加圧し、2次サイクロンとしてL.M.Cに供給する方法が最も効果的です。
粘土鉱物(高級カオリン)、炭酸カルシウム、タルク、紅がら、顔料、染料、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、フェライト(磁気テープ用)研磨剤、化学薬品等の極微粒子、2〜10μの分級が可能で、高性能の遠心分離機に近い分離性能をもっています。
従来大きな据付面積を必要とするシックナー(自然沈降濃縮機)によって行なわれた連続向流洗浄(CCD法)が、L.M.Cを多段に組合わせることによって、僅かな据付面積で有効に実施できます。
濾過機および遠心分離機と組合わせることによって、さらに効果的な分級が可能となります。
脱水の目的に濾過機や遠心分離機を用いる場合、L.M.Cを用いることによって給液濃度を高め、脱水能力を増大することができます。
型式および寸法
L.M.Cのセラミックス・コアの基本径つまり円筒部の内径は6〜10mmで、インレットおよびオーバーフロー(O.F)径は一定です。
アンダーフロー(U.F)径は、1.0mm 1.5mm 2.0mm 2.5mm 3.0mm の5種類が用意されています。
L.M.Cの操作変数は上記U.F径の違ったセラミックス・コアを取替交換することと、圧力室入口に設けられたピンチ・バルブの操作により流入圧力を変えることによって、広い範囲に目的に応じた使用が可能です。流入圧力は使用目的によって変わりますが、通常0.5〜5.0kg/cm
2の範囲で操作されます。
L.M.Cの型式は次の4種類が標準です。